REPORT

2014.02.01

暑い夏は、油脂使用食品の保管温度に注意してください!

食品中に含まれる油脂は酸素と反応すること(酸化)によって過酸化物が生成し、腹痛や下痢の症状が現れる食中毒が起きることがあります。また、過酸化物は味や臭いが劣化する為に品質も損なってしまいます。油脂の酸化速度は温度が高いほど早くなるので、気温が上がる夏には油脂をある程度含む食品は保管温度に注意が必要です。

調査目的

一般的に油脂の酸化速度は10℃上昇する毎に2倍になると言われています。そこで、油脂を多く含む食品について、保存温度と油脂の劣化の経時変化について調査しました。


調査方法

「天かす」と「揚げあられ」をサンプルとして、酸素と触れる表面積を大きくする為に細かく砕いたものを1回測定分ごとに小分けにして密封し、30、40、50℃の3種類で保管しました。そのサンプルを30日経過ごとに90日まで過酸化物価を測定しました。


調査結果


考察

天かすは50meq/kg到達までに、おおよそ30℃では75日かかっていますが、40℃は40日、50℃は15日と保管温度が10℃上がると約1/2の日数で達しました。揚げあられも、30℃では90日以上、40℃は45日、50℃では20日と、保管温度を上げると50meq/kgに到達するまでの日数が短くなりました。

菓子指導要領(昭和52年11月16日環食第248号)抜粋
(b)油脂で処理した菓子は、その製品中に含まれる油脂の酸価が5を超え、又は過酸化物価が50を超えるものであってはならない。

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