REPORT

2011.10.01

生の食肉の大腸菌(E.coli)汚染調査

生の食肉は全体の約25%が大腸菌(E.coli)に汚染されており、その内鶏肉では64.2%と高率に汚染されていました。大腸菌(E.coli)に汚染されているということは糞便汚染があるということで、病原大腸菌やサルモネラ、カンピロバクターなどの食中毒菌にも汚染されている可能性があるという認識をもって取り扱うことが重要です。

調査目的

平成23年度は、焼肉チェーン店での腸管出血性大腸菌による集団食中毒が発生し、生食用食肉の安全性確保が大きな問題となっています。そこで、糞便汚染の指標である大腸菌(E.coli)とサルモネラやカンピロバクターの関係を調べるために、生の食肉の汚染状況調査を行いました。


調査方法

■調査時期:平成23年6月~7月
■試料:市販又は店内調理される生の食肉
■試験方法:牛肉66検体、豚肉60検体、鶏肉53検体、その他(馬・鴨肉)2検体(合計182検体)
について、大腸菌(E.coli)、サルモネラ及びカンピロバクタ―の検査を行いました。


調査結果


考察

今回の調査結果より、サルモネラやカンピロバクターが陽性だった検体の約80%は大腸菌(E.coli)も陽性でした。
逆に、大腸菌(E.coli)が陽性検体のうち、約40%はサルモネラやカンピロバクターも陽性でした。糞便汚染があるということは、汚染経路が同じである腸管出血性大腸菌を含む病原大腸菌をはじめ、サルモネラやカンピロバクター等に汚染されている可能性も高いと考えられます。
また、今回の試料はほとんどが塊肉でしたが、スライス肉やミンチ肉の場合、加工時の二次汚染から大腸菌(E.coli)の陽性率はさらに高くなると推測されます。

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