REPORT調査レポート
2010.07.01
10℃冷蔵保存でも食品を変質させる低温細菌の調査
食品の腐敗を起こす低温細菌は、冷蔵保存状態でも食品中で増殖します。
調査目的
消費期限前で、しかも10℃冷蔵保存したにも係らず食品が変質する事故があります。これは腐敗のもとになる「低温細菌」が原因です。生鮮魚介類や食肉加工品にはこの低温細菌の付着率が高いと言われ、食品を腐敗させることがあります。そこで冷蔵保存中の細菌の増殖状況を調査しました。
調査方法
■試料:市販されている冷蔵保存商品
■検査方法
各試料を10℃で72時間、144時間保存後の一般細菌数および低温細菌数を測定。
・一般細菌数:標準寒天培地で36℃、48時間培養
・低温細菌数:標準寒天培地で 7℃、10日間培養
調査結果
考察
低温細菌は、冷蔵保存にも係らず一般細菌よりも増殖しました。厄介なことに、この低温細菌は一般細菌の生育条件では増殖しにくいため一般細菌の検査では掴めません。従って、冷蔵保存食品の経時劣化検査には低温細菌の検査が必要と分かりました。