REPORT

2012.10.01

保管食品のカビ予防には密閉低酸素が大切!

カビの発生を抑える方法として、酸素濃度を低くすることが非常に効果的です。
但し、脱酸素剤を使う場合は有効容量を確認すること、気密状態を維持するためには包装資材や封印状態に不備がないよう注意してください。

調査目的

酸素はカビの発育に重要な要素であるため、カビの発育抑制に酸素を除去する方法が用いられています。
そこで、食品に発育し得るカビが、保管中の気密状況によってどの程度発育するか比較しました。


調査方法

PDA培地上に発育したアスペルギルス(当社分離株)を食パン表面に3点(上・中央・下)接種し、以下の異なる4つの保管条件で25℃・7日間培養を行い集落の観察を行いました。

A:食品保存袋のジッパーを切り離しパン付属留め具をして好気培養
B:食品保存袋のジッパーを切り離しクリップをして好気培養
C:食品保存袋に酸素除去剤※1を入れ付属のジッパーで封をし嫌気培養
D:嫌気ジャーに酸素除去剤を入れ嫌気培養

※1嫌気性菌培養用酸素吸収、炭酸ガス発生剤(酸素濃度0.1%以下に調整)


調査結果


考察

酸素除去剤による0.1%以下の酸素濃度では、カビは発育できないことがわかりました。
一般家庭で使用している食品保存袋やクリップ等による密閉では、袋の中に酸素が残っていたり、封印不良個所から酸素が侵入してカビが発育することが分かりました。
一般家庭で使用している食品保存袋でも、カビの発育をできるだけ抑えるには、付属ジッパーを閉めるとき余分な空気を出すこと、隙間の無いようしっかり止めることが効果的であると考えられます。

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