REPORT

2018.01.01

鶏卵は加熱調理すると細菌増殖が速くなります。

サルモネラ属菌、 黄色ブドウ球菌は生卵白では増殖できません。しかし加熱調理すると卵白でも増殖し、卵黄および全卵においても増殖速度が速くなる傾向があります。食中毒菌を鶏卵で増殖させないためには割卵後及び加熱調理後の温度管理の徹底や、速やかに喫食することが重要です。

調査目的

鶏卵は最も広く料理に利用される食品であり、生食はもちろんのこと様々な加熱調理をされて喫食されています。その反面、鶏卵や鶏卵加工品を原因食品とするサルモネラ属菌等による食中毒も毎年発生しています。そこで未加熱及び加熱済の鶏卵中でのサルモネラ属菌、黄色ブドウ球菌の増殖速度について調査しました。


調査方法

■使用菌株
サルモネラ属菌(Salmonella Infantis ATCC51741)
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus ATCC6538P)

■試験方法
サルモネラ属菌及び黄色ブドウ球菌を生卵およびゆで卵に添加し、25℃で12時間後、24時間後の菌数の経時変化を調査しました。


調査結果







考察

サルモネラ属菌、黄色ブドウ球菌は生卵白中では、高いpH(8~9)と卵白に含まれる抗菌成分の作用により増殖することができません。しかし加熱することにより抗菌成分が変性、失活するので、加熱済の卵白では増殖することができるようになります。また、鶏卵は加熱調理すると細菌の増殖速度が速くなることがわかりました。

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