REPORT

2015.06.01

食肉製品の「水分活性」と細菌増殖について

一般的には、食品中の「水分活性」を低く保つことで細菌の増殖を抑制することができます。
水分活性の異なる食肉製品について調べたところ、水分活性の低い製品で大腸菌増殖の抑制効果がありましたが、黄色ブドウ球菌では水分活性のみでの増殖抑制は困難であり、先ず最終製品に付着させないことが重要との結論になりました。

調査目的

食肉製品は、加工の違いでさまざまな製品が存在するため、今回は、その加工方法による水分活性の違いが、食品中での細菌(E.coli、黄色ブドウ球菌)の増殖にどのような影響を与えるのかを調査しました。


調査方法

■試料
①ベーコン(0.97) ②生ハム(0.94) ③ドライソーセージ(0.84) ()内は、水分活性
■検査方法
E.coli Escherichia coli (ATCC 8739)を約3.5×10²/0.1mlに調整し試料に添加。
 36℃で48・72・120・ 168時間まで培養を行い菌数を測定。
②黄色ブドウ球菌:Staphylococcus aureus (ATCC 6538P)を約2.9×10²/0.1mlに調整し試料に添加。
 36℃で48・72・120・168時間まで培養を行い菌数を測定。


調査結果


考察

今回の調査から、食品中の水分活性をE.coli では0.94以下に調整することで増殖を抑制できる事が確認できました。 しかし、黄色ブドウ球菌では水分活性が0.84でも増殖可能であることも確認できました。このことから、食品中の細菌の増殖を抑制するには、水分活性の調整だけでなく行程中の加熱殺菌処理やpH調整等を複合的に行うことが必要である事がわかりました。

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