REPORT

2011.08.01

夏の生鮮魚介類 腸炎ビブリオ予防は時間と温度!

腸炎ビブリオは低温では増殖しませんが、温度が高くなり条件が整えば少ない菌数であっても2~3時間で食中毒を起こす菌数まで増殖します。腸炎ビブリオ食中毒の予防には低温管理と早めに食べることがポイントです。
※一部の菌株は10℃以下でも増殖するので4℃以下が最も効果的です。


調査目的

腸炎ビブリオは海産魚介類を原因食品とする代表的な食中毒菌です。増殖速度が速いのが特徴で、条件さえ整えば短時間で食中毒を起こす菌数まで増殖すると言われています。
そこで、温度や時間など予防に有効な方法を確認するため、条件毎の増殖速度について調査しました。


調査方法

■使用菌株:腸炎ビブリオ(ATCC17802)
■試験方法:
①増菌培地(アルカリペプトン水)中での腸炎ビブリオ菌数の経時変化を測定。(3時間後、5時間後、8時間後、16時間後、24時間後)
②温度条件:4℃、10℃、25℃、35℃


調査結果


考察


腸炎ビブリオによる食中毒が起こるには通常105以上の菌数が必要です。
低温条件(10℃以下)では増殖は抑制されますが、温度が高くなると増殖速度は早くなります。
常温(25℃)でも16時間後には105にまで増殖し、最も増殖に適した温度条件の35℃では増殖速度が非常に早く、少ない菌数でも数時間で食中毒が起こる菌数にまで達することが分かります。
このことから、加工中や食べるまでの保管温度が低温であること、加工も手早く、保管時間も短い方が安全なことがよく分かります。

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