REPORT

2016.08.01

タイの造りはマグロの造りより衛生レベルが低い理由

一般的に、作るのに手がかかる食品ほど細菌に汚染されるリスクが高くなります。
タイとマグロの造りの付着細菌の量を比べると、タイの方が多い結果が得られました。
これは、タイの調理加工の工程数がマグロより多いためと考えられます。
造りは、加熱工程がないので、工程が多い魚種の場合、使用する器具や容器、手指の洗浄・殺菌の徹底が非常に重要であることが分かります。

調査目的

大手百貨店や大手スーパー等で販売されている造りについて、魚種(タイ、マグロ)による細菌数の違いと食中毒菌の有無を調査しました。


調査方法

■調査期間:平成28年4月27日 午前中
■検  体:市販されている造りのタイ16検体とマグロ16検体
■検査項目:大腸菌群、一般細菌、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ


調査結果

マグロよりタイの方が大腸菌群、一般細菌の菌数が多い傾向になりました。
大腸菌群は1.0×104cfu/g以上の検体がマグロが1検体に対してタイは3検体でした。また、一般細菌では、1.0×10cfu/g以上の検体がマグロが7検体に対してタイは13検体でした。
黄色ブドウ球菌は全検体32検体中1検体陽性(マグロ)。腸炎ビブリオは全て陰性でした。


考察

上記結果より、マグロよりタイの方が大腸菌群、一般細菌とも多い傾向がありました。魚売り場の厨房では、マグロはブロック(柵)から造りに加工される事が多いのに比べて、タイはウロコ除去や皮ひき、三枚卸し等の調理工程を経て造りに加工されるため、調理器具等を介して細菌に汚染される機会が多いことが原因として考えられます。

CONTACT

pagetop