REPORT調査レポート
2016.06.01
超音波洗浄での除菌は、こんなにも有効です。
大葉に付着した大腸菌群、一般細菌を超音波洗浄すると、次亜塩素酸ナトリウム処理や微酸性水処理と同程度に菌数を減少させることができました。薬剤を使用しないため臭いも残さず、風味も損なわない洗浄・除菌方法として有効です。
調査目的
今回は、通常多くの細菌が付着しており且つ表面形状(産毛)から殺菌が難しいと言われている「大葉」で検査しました。大葉は刺身のつま、寿司材料等に加熱処理をしない状態の、「生」で広く用いられていることから、臭いや食感を損なわない超音波洗浄で細菌数をどの程度減少させることができるかを、従来の殺菌方法と比較しました。
調査方法
■試 料:スーパーで販売されている大葉40検体
■試験方法
①無処理
②微酸性水5分間浸漬(オーバーフローなし)
③次亜塩素酸Na(200ppm)5分間浸漬
④超音波洗浄5分間(38kHz)
※②~④の処理は表、裏それぞれ2.5分間処理後、流水で2秒洗浄を行った。
調査結果
考察
今回の調査では、超音波洗浄により一般細菌、大腸菌群を約2桁減少させることができ、広く使われている次亜塩素酸ナトリウム処理や微酸性水処理に相当する効果があることが判りました。生食用野菜で薬剤を使用しない除菌方法として、期待できる結果でした。
超音波洗浄では、超音波により発生したキャビテーション(注)が破裂することで生じた衝撃波で細菌の細胞膜を破壊し、細菌数を減少させることができると考えられます。ただし重なり合ったりして衝撃波の当たらない部分には効果がないので注意が必要です。
(注)キャビテーション:超音波により水中に発生した真空の気泡。