2024.01.24
鶏肉(生)の取り扱いには注意が必要です
調査目的
サルモネラやカンピロバクターは、依然として、食中毒の原因として挙がってくる細菌です。特に生の鶏肉は他の生肉よりも、これらの菌に汚染されていることが多く、二次汚染に注意が必要となります。そこで今回、生の鶏肉がこれらの菌に汚染されている現状について調査を行いました。また、同時に、大腸菌(E.coli)の汚染状況についても調査しました。
調査方法
・調査時期:2022年8月26日~2022年9月10日
・試        料:市販されている生の鶏肉(もも肉、むね肉、ミンチ肉)
・試験方法:鶏肉41検体(もも肉14検体、むね肉12検体、ミンチ肉15検体)について
                   サルモネラ、カンピロバクター、大腸菌(E.coli)の検査を行いました。
考察
今回の調査で、生の鶏肉には高い割合でサルモネラやカンピロバクターの食中毒菌が存在していることが分かりました。これは、食肉処理の際に、鶏の腸管内に存在するサルモネラやカンピロバクターによって、腸からの汚染を受けてしまうためだと考えられます。そのことを裏付けるように、大腸菌(E.coli)が95%検出され、高い割合でふん便汚染を受けていることが分かりました。これらのことから、食中毒を防ぐためには、喫食する鶏肉は十分に加熱すると共に、生の鶏肉に使用する調理器具は分別し、調理器具の使用後の洗浄・殺菌を徹底して二次汚染を防止することが重要です。
十分な加熱とは
・中心部が温度が75℃ 1分間以上の加熱。
・加熱調理中は撹拌するなどして加熱ムラが無いように注意する。
調理器具の分別とは
・そのまま食べる食材を調理するまな板等(サラダ、お漬物、フルーツ等)
・お刺身など生で食べる魚介類に使用するまな板等
・調理工程のある食材で使用するまな板等(生肉(鶏、豚、牛)、魚等)
洗浄・殺菌とは
・汚れを洗い流す→洗剤で洗浄→水分を拭き取る→次亜塩素もしくはアルコールで殺菌