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キュウリはサラダ・酢の物・漬物等としてよく食べられていますが、キュウリが原因食品と推定される腸管出血性大腸菌O157による集団食中毒(死亡者がでた事例もある)が何度か発生しています。キュウリの表面にはイボが有るため付着細菌数を減少させ難い点も一因と考えられるため、キュウリのイボの有る部分と無い部分の細菌汚染状況と効果的な除菌方法について調査しました。 |
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試料: |
一般に市販されているキュウリ 各処理10検体 |
試験方法: |
①無処理
②流水洗浄(手で20回こすりながら水道水を用いて流水洗浄)
③次亜塩素酸ナトリウム処理(流水洗浄後200ppmで10分間浸漬)
④熱水処理(流水洗浄後100℃で5秒間加熱)※以下ブランチングという |
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各処理部位別10検体の平均値(cfu/g) |
処理方法 |
部位 |
大腸菌群 |
一般細菌 |
E.coli |
無処理 |
イボ有り |
3.7×102 |
1.3×106 |
10未満 |
イボ無し |
1.1×102 |
5.3×105 |
10未満 |
流水洗浄 |
イボ有り |
1.5×102 |
5.5×106 |
1.0×1.0 |
イボ無し |
3.1×10 |
7.7×104 |
10未満 |
次亜塩素酸Na |
イボ有り |
10未満 |
5.7×104 |
10未満 |
イボ無し |
10未満 |
5.9×103 |
10未満 |
ブランチング |
イボ有り |
10未満 |
1.0×102 |
10未満 |
イボ無し |
10未満 |
5.0×102 |
10未満 |
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※100℃、5秒間のブランチング処理後のキュウリの外観、食感の変化はほとんど認められませんでした。 |
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キュウリ表面には多くの細菌が付着していて、イボ有り部分の方がイボ無し部分より細菌数が多いことが分かりました。流水洗浄や200ppm次亜塩素酸ナトリウム処理10分間では大幅な細菌数減少効果は認められませんでしたが、100℃5秒間のブランチング処理では芽胞菌以外のほとんどの細菌を死滅させることが出来ることが分かりました。これはキュウリの形態学的構造(揮発性、気孔等)が水や次亜塩素酸ナトリウムが細菌に接触するのを阻害しているためと考えられます。

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