ホーム調査レポート黄色ブドウ球菌の加熱殺菌は何度、何分が必要か?

食の安全なるほどレポート
セレウス菌は加熱調理後の温度管理も重要です【2017.06】
キュウリの除菌には熱水処理(ブランチング)が効果的です【2017.03】
タイの造りはマグロの造りより衛生レベルが低い理由【2016.08】
超音波洗浄での殺菌は、こんなにも有効です【2016.06】
衛生手袋を長時間使用後、取り外した時の手指の衛生状況について【2016.02】
ゆで麺のpHと細菌増殖の関係について【2016.02】
食肉製品の「水分活性」と細菌増殖について【2015.06】
「水分活性」が細菌増殖に与える影響について【2014.12】
暑い夏は、油脂使用食品の保管温度に注意して下さい!【2014.02】
調理作業着のカビ対策について【2013.11】
冷蔵庫内でも増殖するリステリアに注意が必要です!【2013.09】
消費期限は具材の違いを考慮して設定する必要があります【2013.04】
マヨネーズの抗菌性について【2012.12】
検証:包丁保管庫(そのU)誤った使い方の殺菌効果【2012.11】
保管食品のカビ予防には密閉低酸素が大切!【2012.10】
紫外線包丁保管庫の殺菌効果について【2012.09】
冷蔵庫内のファン部は真菌(カビ・酵母)汚染に注意です。【2012.05】
「煮炊きものに火を入れる」生活の知恵の有効性を確認しました。【2012.04】
生食用食肉規格基準「腸内細菌科菌群検査」の汚染調査 【2011.12】
生の食肉の大腸菌(E.coli)汚染調査 【2011.10】
夏の生鮮魚介類 腸炎ビブリオ予防は時間と温度! 【2011.08】
黄色ブドウ球菌の加熱殺菌は何度、何分が必要か? 【2011.02】
食肉の食中毒菌汚染状況調査 【2011.01】
「おにぎり」に付いた黄色ブドウ球菌による食中毒リスクの調査 【2010.12】
サラダ用生野菜の細菌汚染状況調査 【2010.11】
内部まで侵入したカビの殺菌方法に関する調査 【2010.09】
10℃冷蔵保存でも食品を変質させる低温細菌の調査 【2010.07】
「カビ」に対する殺菌剤の効果に関する調査 【2010.06】
水道水の腸炎ビブリオに対する殺菌効果に関する調査 【2010.05】
食肉のカンピロバクター汚染状況調査 【2010.01】
鶏卵のから表面の細菌汚染調査 【2010.01】
人の鼻前庭付着している黄色ブドウ球菌の調査 【2009.10】
洗浄による大葉の細菌数減少に関する調査 【2009.10】

黄色ブドウ球菌の加熱殺菌は何度、何分が必要か?

黄色ブドウ球菌の殺菌は、腸管出血性大腸菌O157と同様で、食品の中心部が75℃・1分以上の加熱が有効です。しかしながら、汚染菌数が高ければ殺菌効果が不十分となる可能性もあり、現場では加熱を過信せず、清潔な取扱いや温度管理を徹底し、まずは食品に菌をつけないこと、そして増やさないことを心がけることが重要です。

調査目的

一般的な食中毒菌の殺菌条件は、中心温度が75℃・1分以上の加熱とされていますが、これまで黄色ブドウ球菌に関しては、63℃・30分(牛乳や食肉製品の低温殺菌)や80℃・30分というデータしかありませんでした。しかし、30分の加熱は商品価値を損ねる危険性もあることから、黄色ブドウ球菌についての殺菌温度条件に関する検証を行いました。

img

調査方法

・試験期間 平成22年12月〜平成23年1月
・試験方法 黄色ブドウ球菌の初発菌数を103〜106cfu/mlに調製し、各試料液について■65℃・60秒■70℃・30秒及び60秒■75℃・30秒及び60秒の加熱条件で生残菌数を測定しました。
なお、加熱は試料液温が設定温度に達した時点から開始しました。

調査結果


初発菌数 65℃ 70℃ 75℃
60秒 30秒 60秒 30秒 60秒
106 3.0×103 8.6×102 2.1×103
1.1×104 6.4×103 1.2×103
2.7×103 2.1×103
105 1.8×103 7.0×10
5.1×103 1.4×102
2.2×103 2.1×102
104
殺菌効果 1/100〜1/1000 1/100〜1/1000 1/100000 1/1000〜1/10000 1/100000
※「−」は検出限界10未満、菌数はcfu/ml

考察

今回の結果より、75℃・1分の加熱で最大1/100000の殺菌効果が認められました。また黄色ブドウ球菌は手指を介して食品を汚染しやすく、食品表面に付着していることが多いと考えられます。加熱調理では中心部および表面部で徐々に温度が上がるので、軽度の汚染や表面に付着した黄色ブドウ球菌に対しては、この段階でも殺菌効果が得られると推察されます。

PDFはこちら>>

  • 異物混入調査
  • 衛生リスク調査
  • 衛生教育